<梅雨の平ヶ岳★★ (1of2)>からの続き。
10:35 姫池 到着
美しかった。
達成感と開けた景色の開放感とで、退屈な登りで蓄積された嫌っ気が一瞬で蒸発した。
平ヶ岳は山頂一帯が湿原になっている。この姫池は厳密には山頂ではないが、広義には山頂である。
チングルマの群生。
平ヶ岳山頂はもう少し先にあるが。 見た目より標高差や距離はない。
深山の湿原の風物詩、ワタスゲも群生していた。
山頂と玉子石との分岐があるが、まずは山頂に向かうことに。
花を見ると、どうしても シャッターを切りたくなって、、。
なかなか前に進まない。
まだ雪が残っている箇所がある。
お?
人が歩いているぞ。
どうやら、あれは玉子石と姫池を結ぶ道のようだ。 後で歩くの楽しみだ。
平ヶ岳の山頂まであと少し。
振り返ると さきほどまでいた姫池の丘。
山頂はもうすぐ。
ハクサンコザクラ。
群生していた。
木道に這いつくばって、撮ります。
11:10 平ヶ岳山頂 到着
山頂は そこそこ賑わっていて、11時に着いた私は遅めの方だった。
日帰り登山者の最終の方でも12時頃だったと思う。
地元の小出の人、長岡の人、、そして 訛りが懐かしいなと思ったら 故郷宮城の隣県 福島の人。
そして、、東京は多摩がら来ている人もいた。
フレンドリーな方が多かったからか、 私も気分が高揚したのか、、いつもより 会話が弾んだ。
できることなら、1時間はのんびり山頂で遊んでいたかった。
「明日、仕事が休みだったらなあ・・・。」
何度もこの愚痴をこぼした。笑
山頂から少しだけ奥に木道は続いている。
そこには雨量観測計があった。木道もここで終わる。
南西に燧ケ岳と雲に隠れた至仏山。
南方には雲に隠れた巻機山。
北西には丹後、中岳、その奥に越後駒。
北方に荒沢岳。
越後と尾瀬の山が見渡せるこのポイント。 いい。
山頂で折り返し、玉子石にむかっちゃう方もいるが、、、もったいない。
ほんの2~3分ほど先に歩くだけなので、是非 木道の終端まで歩くことをすすめる。
天候は悪化する予報だったが、不安定な天気がいい方向に裏切ってくれた。
雲に覆われて景色がないことが多いらしいから、梅雨時期にしては当たり・・といっていいかな。
池塘とその後ろに 越後三山の中ノ岳が、 右隣には荒沢岳が座していた。
中ノ岳は6年ほど前に登ったことがあるが、素晴らしくよいコースだった。
http://yamamichelin.blog39.fc2.com/blog-entry-165.html中ノ岳(越後三山縦走)★★★ 雨量計のその先は行き止まりになっていたが、、、美しい花畑が広がっていた。
そして、立ち入り禁止になっているが、銃走路を思わせる獣道。
登山者の方に聞くと、残雪期(五月頃)に丹後山、中ノ岳方面に登山する兵がいるらしい。
新潟の気候を考えると難易度の高いコースだが、思いを馳せてしばらく山並みを眺めた。
もっと頂上でのんびりしたかったが、下山の事、というよりは翌日の事を考えると、のんびりとしているわけに
いかなかった。
11:50 平ヶ岳山頂 出発
玉子石へ向かう。
ワタスゲが湿原でそよ風にそよぐ。
さきほど遠目に見た雪壁が現れた。
その雪壁の手前には、水場が。
本日 初の水場。
皆さんスルーしていくが、、、水場好きの私としては、これも寄り道しないわけにはいかない。。。
雪解け水の冷たく、美しい小川の水。
古い水を捨てて汲み換えるほどに、染みた。 おいしかった。
雪壁を越えて、上の木道へ。
思ったほど 足場がなかった。
軽量優先で、ハイキングシューズにしたが、、、登山靴はいてくればよかったと後悔しつつも、
ハイキングシューズのつま先を締まった雪に蹴り込んで、なんとかあがれた。
「お疲れ様ですー。玉子石 よかったですよー!」
登山口でご一緒だった あの3人パーティとすれ違った。 早いっ! というか、、写真ばかり撮っていたこともあって、
随分と後ろになってしまった私。
玉子石までの道は景観がよく。
木道の隙間からキノコが生えていた。
アルプスの山に来ているみたい。
振り返ると燧ケ岳。
どこを見渡しても美しい景色だった。
すれ違う人は顔見知りになったので、声をかけていただく。
「おお、やっと来たか!もうすぐそこだぞ! 玉子石、よかったよ!」
12:30 玉子石
皆さんがあまりにハードルを上げすぎるものだから、、さほど よく見えなくなってしまった。(笑)
三脚の脚を持ち、セルフタイマーにして高見から見下ろすようにして玉子石を撮影した。
それでも、残雪の山と池塘と玉子石のコラボは美しいと思った。
鳥達のさえずりが美しく、五感で感じる風景だった。
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VPS どこの山でも見かけるイワカガミ。(この紹介は愛がないな)
ワタスゲもっさり。
帰路へ。
12:55 姫池まで戻る
おっ、テントを張っている人がいる。
いちおう、テント泊禁止のこのエリア。
だが、テントを張る人はやはりいる。。し、最高のロケーションだ。
「まあ、明日は雨みたいですからね。」
と姫池でくつろいでいる登山者の方に、妬み口を聞いてもらう。
この日 登っていた人は出会う人、出会う人、皆さんしっかりされた人ばかりとの印象。
装備、水の量、脚力、、、天気の予報。
これから山頂を発てば・・・コースタイムはXX時間だけど、実際はXX時頃に下山になる・・など。
私が丁度 考えていた事を、休憩中の方も呟いていたり。その逆もあったり。。
考えている事が ほぼ一緒なのである。
百名山だと初心者・・・というか、無計画・無茶な登山者の方がチラホラと いるものだけど、
さすがに この梅雨時期に、この山に登る人、、、それなりの人が登るものなのだと思った。
(と・・・これまた同じ感想を道中 2人ほどから聞いた)
しばし 姫池でまったりと した時間を過ごし。
なが~い下山道に入る。
登りは遅く、写真を撮るから どんどん抜かされた私も。。
下山は、、早いそうだ。
むかし 常念の下山時に那ぁさんに、
「その巨体で激突されたら たまらんと思った」
と言われたほどに、巨体を重力に任せて降りる・・・。
http://yamamichelin.blog39.fc2.com/blog-entry-259.html><表銀座日帰り縦走はこちら> 「ええ!? もう追いついたの?」
先発の登山者達を抜かす度に驚かれる。
途中で姫竹を採っている方がいらっしゃったので、採り方を教えてもらい。。。
下りながら姫竹も採ってみた。
追い越す度に 言われる言葉が、、
「もう追いついたの? 早いねえ!」に加えて、、、「あっ。タケノコまで 採ってる。」 が付くようになって、、
なんだか恥ずかしかった。
とはいえ なが~い 下山道。
台倉山まで下りた時にはもう「下山が早いべ・・」的な余裕もなく、もうボロボロの満身創痍。
久しぶりの登山だし、想定とおりではあるが、やっぱり キツかった。
足の親指は・・
こんな感じになってしまっていた。
履いていたハイキングシューズは登山靴と違って、どうしても下山時に親指に負荷がかかるらしい。
最後の1時間は気力を振り絞って、、足を踏み出していた。
16:40 鷹ノ巣登山口 到着
登山口近くの沢でドロドロの靴やスパッツを洗い、足の指の痛みを堪え登山口へ到着した。
満身創痍(二回目)。全工程 11時間をかかった。
ここからのなが~いくねくねドライブのことを思うと、まだ気が許せない。
なが~い 只見湖 湖岸のくねくね道を走って、、
走って、、、
銀山トンネルを抜けて、、スマホの電波が通じたところで、
ようやく下山できたような気がした。
「SaveOn」 と 「どさん子ラーメン」の多い魚沼、六日町。
その どさん子ラーメンで味噌ラーメンを食べて、外に出たら夕暮れの八海山が正面に見えた。
とにかく 疲れちゃって。
ラーメンの後には眠気が襲ってきた。
運転は危険なので、南魚沼の石打あたりで コンビニに駐車。
ここで1時間ほどnapのつもりが、、、なんと本寝しており 嫁からの「起きないとそこで朝を迎えると思う」コールで
目を覚ます。 外は真っ暗。時間は22時。(;゚Д゚)ホンマやー 嫁の意見に全面賛成しながら高速南下。
平ケ岳、ここまでとは。スマホの充電も寝てる間にフルチャージされてるしよ。家かっ。てほどに石打のコンビニは
寝心地よかったぜ。
結局 家に着いたのは深夜の1時頃であった。
平ヶ岳。
どうしてどうして。いい山じゃないか。地獄と天国が共存する山・・・というと大袈裟だな。
もう一度登りたいか?と問われると、、即答したくはないが。。。 またいつか登ってみたいとも思う。
紅葉の秋口も 良さそうである。
夏は・・・・嫌だなあ。
この時期は? うん、ベストシーズンだと思う。 日も長いし。
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これで本州最後の百名山を登りきった。
残すは北海道にある山のみである。
なが~い記事になってしまった。
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